『つらい』に秘められた情景
A:辛い。
↑に対する適切な返答を答えよ。
なお、貴方はAさんに対してBさんであり、関係は「親しき間柄」とする。
辛いという言葉は幸せと見た目が似ている。
辛(しん)にちょっと棒足してピッチリさせたらこんな感じだ。
辛いに対しての私の解答は複数ある。こうだ。
①私も辛いからね。キミの辛さに同意する気力が薄いから、『そうだよね』以外に掛けられる言葉は無いよ、ごめんね。
②大丈夫?私には励ます事しか出来ないけど、無理しないでね。無理なら私に頼ってね、出来ることならするから。
③辛いよね、でも、いつかその辛さは終わるよ、頑張って。
薄情な人間である事を白状しよう。
関係性がどれだけ深かろうと他人の事を知る事は出来ない。
相手への理解をハナから諦めているから、こういう解答になってしまうのだ。
無論、それだけでは角を立てまくる事になるので、『譲歩』という形で推し量る素振りを積極的に提示している訳だ。
薄汚く小賢しい人間だろう。しかしこれすらも諦めだ。
綺麗になろうとした人間しか真に汚くはなれないんじゃないか。そう願い、何もやりきる事の出来ない私は今既に辛い。
辛さを直視する事が、辛い。